新型コロナウイルス感染症まとめ(症状編)

今回は新型コロナウイルス感染症についてまとめてみました。
まずは症状についてです。
新型コロナウイルス感染症の症状は無症状から重篤なものまであります。平均の潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は平均4〜5日で、感染して11.5日以内に97.5%の人が発症します。
症状には、発熱、せき、のどの痛み、だるさ、筋肉痛などがあります。食欲低下やはきけ、下痢などの消化器症状を呈する場合もあります。においがしない、味がしないという症状は患者の68%で報告されており、男性より女性に多いと言われています。入院患者では、発症後平均5〜8日で呼吸苦が出現し、病状の悪化を示唆します。

重症化するかどうかは年齢と健康状態によると言われており、高齢の方ほど重症化する危険性は高くなります。また心臓病や腎臓病、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患、肥満(BMI>30;体重kgを身長mで2回割った値)などの持病のある方も重症化する恐れがあります。
重症度の評価を下図にまとめました。中国のデータでは軽症から中等症の方が81%、重症の方が14%、最重症の方が5%と報告されています。
軽症から中等症の方でも発症して約1週間後に症状がひどくなる可能性があります。特に上にあげた重症化の危険性が高い方では、追加検査の敷居を低くして注意深く症状を観察することが重要とされています。
  N Engl J Med 2020;383:1757-1766 Figure.1を一部改変
以上いかがでしたか?現時点では、普通のかぜと新型コロナウイルス感染症を症状だけで判別することは難しく、接触歴や渡航歴、周囲の流行状況などを参考に総合的に判断していくしかなさそうです。
次回は新型コロナウイルス感染症の検査についてまとめたものを掲載予定です。

参考文献)N Engl J Med2020;383:1757-1766, UpToDate COVID-19 Patient education

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